私が学生の頃、大阪の友達は”相手”のことを”自分”と言っていました。
「自分、どっから来たん?」とか、「飯食いに行くけど自分も行くか?」とか、そんな感じです。
時々、「ん?」と思い、慣れるまで少し時間がかかりました。
大阪では自分のことは「わい」と言ってました。
「わいは大阪や」、「わいと飯食いに行かへんか?」、と言う感じです。
一方、鹿児島では「わい」は相手を指します。自分のことは「おい」です。
大阪の人と鹿児島の人が話をしたらどうなるんだろう?とすごく興味を持っていました。若い頃の話です。

話を元に戻します。 祖谷では相手のことは「わぁ」と言います。
「わぁ、どこから来たん?」、「飯食いに行くけどわぁも行くか?」、と言った感じです。友達の輪に入っていく場合は「わぁらよ~」などと言います。
この場合、「わぁ」は「君」という意味になります。
ただ、「自分」という意味合いもあります。
例えば「自分のことは自分でしなさい」は「わぁのことはわぁでせーや」になります。「自分の親でしょ?」は「わぁの親だろ?」になります。
と言うことで、大阪で相手のことを「自分」と言うのと祖谷の「わぁ」は少し似ているかも知れません。
しかし祖谷の方は更に複雑です。
「相手の家」は「わぁんく」と言いますが、自分の家は「わんく」と言います。
後で遊ぶ約束をして、「ほな、わぁんくの」と言った場合は「相手の家」を指しますが、「ほな、わんくの」だったら自分の家を指しています。
「わんく」と言う表現を相手側が使うこともあります。
例えば、「はよぉ、わんくにいねよ」は「早く自分の家に帰りなさい」という意味になります。
「はよぉ、わぁんくにいねよ」でも意味は変わりませんが、「はやく君の家に帰りなさい」と言うニュアンスになり少し親密度が低下します。「わんく」の方がより相手に寄り添った表現になる訳です。
ということで、大阪の「自分」と比べ、祖谷の「わぁ」は結構難易度が高いかも知れません。この違いを使い分けられるようになったらあなたはもう名実ともに祖谷の人かも。
以上、澤村さんのコメントにある「わんく」について関連記事を書いてみました。
コメント