「祖谷」と言う漢字を初めて見て「いや」と読める人はまずいないと思われます。普通の人は「そや」とか、「そたに」と読みます。
では、なぜ「祖谷」と書いて「いや」なのか? それは当て字だからです。
昔まだ漢字がない時代でも言葉はありました。また既に漢字があった時代でも字を書けない人はたくさんいました。
漢字が無かったり、漢字が書けなかったりするそんな時代でも人々は会話はしていた訳で、当然地名なども決まっていました。
そんな時代から祖谷は「イヤ」と呼ばれていました。民俗学者の柳田国男氏によれば「イヤ」とは「祖霊、すなわち祖先の霊が住むような山深いところ」を意味していたそうです。
そう言うことで「祖谷」という漢字を当てたと言われています。
同様なことが和歌山にも当てはまります。熊野古道のある熊野。祖谷と似た雰囲気の地域です。
その熊野。「熊野」と書いて「いや」と読む地名があるそうです。和歌山県田辺市です。
和歌山県御坊市にも「熊野神社」と書いて”いやじんじゃ”と読む神社があるらしいです。
これも祖谷同様、まず話し言葉としての「イヤ」があり、その後で「熊野」という漢字を当てて「いや」と読ませるようにしたのでしょう。
「野」は「や」とも読むので、少し強引だけど「熊」を「い」と読ませるようにしたのでしょうか?
「祖」を「い」と読ませた強引さといい勝負ですね?
興味のある人は、「熊野 いや」でネット検索してみてください。
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