祖谷に入って来られる前に大歩危に立ち寄られる方が少なくないものと思います。
その場合、ぜひ見ておいて欲しいものがあります。レストラン大歩危峡まんなか(大歩危峡観光遊覧船が出ている施設)の駐車場(上流側)からの風景です。
まず対岸を眺めてください。上の写真のように岩肌を眼下に見下ろすことができるはずです。
次にその目を上流側に移してみてください。下記のような景色に変わるはず。

あ~ら、不思議。 上流側は岩石が植物に覆われています。
これは、この辺りを境界として地質が変わることが原因しているのですが、それにしても見事な変わりっぷりです。
下流側は砂が固まってできた固い岩盤、上流側は泥が固まってできた脆い岩盤でできています。
砂でできた固い岩盤は表面がツルツルしているので植物は育ちません。洪水によってすぐに流されるからです。
一方、泥でできた脆い岩盤は、ボロボロボロボロ崩れ落ちるので、表面がザラザラしています。そこに種子が落ち、根を張ります。洪水が来ても、流れの裏側にしがみ付いた植物は流されません。
それがこのような極端な景色の違いを生み出しています。
固い岩盤は砂質片岩、脆い岩盤は泥質片岩と呼ばれ、この2種類が祖谷や大歩危の景観や生活に大きく影響しています。
大歩危・祖谷には、このようなジオ(大地の成り立ち)が景観や生活に影響を与えているところがたくさんあります。その詳細は折に触れ、おいおい紹介していくとして、とりあえずは大歩危のこの風景の違いを目に焼き付けておいて頂ければと思います。
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