祖谷を観光していると上記写真のようなものが至る所で見られます。これは何だと思いますか?
これは「コエグロ」と呼ばれ、畑の肥料として使われるものです。茅でできています。
※写真は郷土学習用に地元の小学生が作ったものです。
祖谷は山ばかり。集落も山の斜面に張り付くように形成されます。傾斜角度20度や30度は当たり前の世界です。
畑もそんな斜面の上に作るしかありません。その際、何が問題になると思いますか?
昔だと人糞、今だと化学肥料が作物に必須の栄養素になると思いますが、これら肥料は傾斜地集落では役に立ちません。雨が降ると流れ落ちるからです。
では、どうするか?
秋に茅を刈り、冒頭の写真のように束ねて寝かせます。そして春先に十分乾燥した頃、細かく刻んで土に混ぜます。下記写真のような感じです。すると少しずつ腐り、作物の栄養素として働きます。しかも水に溶けることがないので雨が降っても流されません。

コエグロを用いたこのような農法は剣山を中心とした西阿波全体で行われています。大変自然にも優しいということで、世界農業遺産に指定される理由の一つになったものです。
コエグロは祖谷をドライブしているとあちこちで見かけますし、落合集落展望所や落合集落の中と言った観光サイトでも見られます。
祖谷に観光で来られた際は是非興味を持って探して頂き、見つけた時には「あっ、コエグロ!」と指さして、楽しんで頂ければと思います。
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