”動く大地と暮らす知恵”に参加して:知らず知らず

祖谷の雑穀/ヤツマタ 移住の奨め

私は長くメーカーに勤めていました。

メーカーでは”生産性”が大変厳しく追及されます。そして私は、知らず知らずのうちに”効率至上主義者”に陥っていました。気が付くと家庭にまで”効率”を持ち込んだりしています。

それが、とある番組の討論会で我に返りました。 ”生産性だけが価値基準なのですか?” どなたかの発言が目を覚まさせてくれたのです。

そんな企業活動。悪影響を受けているのは従業員だけではありません。皆様の日常生活にも大きく影響を与えています。

祖谷の雑穀

これは、元京都大学学長、現総合研究環境学研究所長の山際寿一氏が徳島新聞に投稿されていた話です。

世界の人が食事から得ているエネルギー。90%がわずか30種類の作物に依存しているのだそうです。

更にその半分以上を、小麦、米、とうもろこしが占めるそうです。私たちはわずか3種類の作物に大きく依存して生きている訳です。

何と言う偏りでしょう。多様性の欠如も甚だしいです。国連食糧農業機関FAOで公開されている情報らしいので間違いないです。

雑穀の植え付け

我々の最初の祖先、すなわち猿人が誕生したのは700万年前、食料を生産し始めたのは1万年前です。

それが200年ほど前の1843年に最初の化学肥料が発明され、100年ほど前の1938年に農薬が開発されました。これによって作物の収穫量が急増し、20世紀に人口が爆発的に増えました。

そして、わずか200年の営みにより、食物の偏り、多様性の欠如が一気に進みます。企業が効率を求め始めたためです。大量生産・大量消費の時代に入りました。

するとどうなったか? 土壌は劣化し、水は汚染され、生物多様性や農業を支えていた生態系は崩壊した。 山際氏はそうおっしゃいます。

害虫を駆除してくれる昆虫類、鳥類、両生類、爬虫類、土壌を豊かにしてくれるミミズ、菌類、バクテリアが死滅し、地球の生物はこれまでの1000倍の速度で絶滅に向かっているとのことです。

知らず知らずのうちに私たちは抜き差しならない方向に進んでいるのかも知れません。

杉平氏

と言う大きな流れ。これを阻止することはなかなか難しいものと思います。少なくとも、流れが変わるイメージが私には湧きません。

が、その一方で、希少性の高い作物や非生産的な農法に目を向ける人の存在も増えていると思います。

イベント”動く大地と暮らす知恵”の講師:祖谷雑穀生産組合会長の杉平さんもその一人です。祖谷における傾斜地農法や雑穀の栄養の高さなどを熱弁されていました。

私はこの希少性こそがビジネスチャンスと思っています。”祖谷”と言うブランドも後押ししてくれるでしょう。後はアイデアだけ。

興味と熱意のある人は是非コンタクトいただければと思います。検討のお手伝いをすること可能です。

ちなみにですが、かつての祖谷で主食だった大麦(押麦)とヒエ。こんなにビタミン、ミネラルが豊富なんです。米と比較して掲載しておきます。食材100gに含まれる重量を示しています。

■エネルギー系栄養素の比較 [単位:g]

■ビタミン系 [単位:mg]

■ミネラル系 [単位:mg]

【出典】
食品成分データベース(1ページ目)

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