あなたは幼児?祖谷の繰り返し言葉

ヘビのミー君 祖谷の風土・風習・文化

先日ゴルフをしていたら、小さい虫が目の前をうるさく飛びまわって困りました。テレビのゴルフ中継などでも選手がよく追い払っています。あれです。あれ、なんというかご存じですか?

めのめの”と言います。祖谷での話です。

たまに目に入ります。”めのめの入った”と言います。やはり祖谷での話です。

めのめの。 かわいくないですか? 

”めのめの入った”。子供の頃よく使いました。しかし残念ながら、おっさんも使います。

おっさんが使うとちょっとユーモラスです。その言葉のかわいい響きとおっさんの容姿のギャップが何とも言えません。

そんな繰り返し言葉が祖谷には色々あります。 そのいくつかを紹介します。 すべて当たり前に使われています。

まけまけ

祖谷では水などがこぼれることを”まける”と言い、こぼれるギリギリまで注ぐことを”まけまけ”と言います。

居酒屋さんなどで日本酒をついでもらう時「まけまけで」などと要求します。おっさんの話です。店の人は幼児を扱うお母さんのように「はいはい」と言ってついでくれます。

えごえご

曲がりくねったこと捻じれたり段違いなったりすることを言います。 

”線、えごえごになっとるぞ”とか、”ボタン、エゴエゴになっとるぞ”とか、そういう使い方をします。

土木作業中のおっさんが遠くを指さし「あそこにエゴエゴの道あろうが」などと言ってるのを聞くと、少しくすっとしてしまいます。

しわしわ

ゆっくり”という意味です。「しわしわせーよ」、「しわしわ来いよ」のように使います。

祖谷の道はえごえごで危険。「しわしわ来いよ」は「気ぃつけて来いよ」と双璧。大変よく使われる労りの言葉です。

コヒンコヒン

咳をしている状態を指します。「コヒンコヒン、言よるけどいけるか?」という風に使います。

どんなにいかつい体をしてても、どんなに威厳があっても、咳をすると”コヒンコヒン”扱いされます。 ユーモラスなギャップを感じます。

トテントテン

物音がする時などに使います。

「ここは今お留守ですか?」などと近所の人に聞くとこう答えが返ってきます。「おるんじゃないん。今朝もトテントテンしよったぞ」。

受験生が夜遅くまで勉強してても褒めてくれません。「夕べも遅うまでトテントテンしよったなぁ」と言われます。褒めてはくれませんが、暗に労を労わってくれています。

ズビズビ

これは床や地べたでもがく状態を指します。例えば子供が地べたに寝そべっておねだりする。それがズビズビです。親は言います。「ズビズビしたっておてやらんぞ」。

おっさんもよく使います。「穴に落ち込むとこだった。ズビズビして出てきた!」

もはや自虐的。自分で自分を幼児言葉で表現します。

以上、祖谷の繰り返し言葉を紹介してみました。これを見ている祖谷ゆかりの皆さん。他にもあれば連絡ください。

ちなみに繰り返し言葉は正式には畳語じょうごと言うそうです。畳む、すなわち物を折り返して重ねることからきているようです。初めて知りました。

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