このようにして誕生しました、祖谷の渓谷美

山の写真/祖谷の山 祖谷の風景

1、2、2、4。 この数字は何だと思いますか? 

四国、九州、北海道、本州の面積を倍率で表したものです。 四国の2倍が九州、九州の2倍が北海道、北海道の4倍が本州、と覚えます。 子供の頃に何かで目にしました。

上記比率だとすると、四国は日本の面積の約1/16しかないという事になります。6.25%です。

実際のところ、日本の面積は364,500km2、四国の面積は18,300km2なので、計算すると5.02%と出ます。 オーダー的にはあっていることが分かります。

山の写真/天狗塚

ちょっと下記サイトを見ていただけますか? 西日本の高い山ランキングです。
「西日本百高山リスト」を作ってみました-ヤマレコ

ベスト10に6山、ベスト20に13山、四国の山がランクインしています。 比率で言うと60%~65%です。

西日本に占める四国の面積をエイヤで10%とします(5%の2倍)。 すると10%しか占めないエリアに60%もの高い山がひしめいていることがわかります。 平均密度の6倍です。

祖谷の山々

このような高い山々、すなわち四国山地になる訳ですが、これが太平洋に面して切り立っています。 まるで海からの風を通せんぼしているようです。

太平洋からやって来た暖かくて湿った風は、仕方なく四国山地を駆け上がります。 するとそこには冷気という洗礼が待ち受けています。 暖かくて湿った空気は急速に冷やされ雨に変わります。

これが四国山地に雨が多い理由です。 雨が降ると洪水も起こります。 あっちこっちが増水し、その多くが吉野川に流れ込みます。 暴れ川と呼ばれる吉野川の誕生です。 

山と山霧

更に話を祖谷に絞ります。 西日本ベスト11で3山、ベスト50で8山、東祖谷の山がランクインしています。 比率で言うと27%と16%です。

東祖谷の面積は229km2。 西日本の0.13%です。 そこに16~27%の高山がひしめいています。 平均値の123~208倍です。 それほど高い山が密集しています。

ここも四国山地。 頻繁に大雨が降って川が荒れます。 祖谷川は激流となり、両岸や川底の土砂やれきを下流に押し流していきます。

洪水のかずら橋

こうして深くて長い渓谷が出来上がりました。その距離50kmに及びます。

2,000m近い山々の谷間を縫うように走る祖谷の渓谷。 落差1000m級の急激な渓谷美と迫力が私たちの目を楽しませてくれています。

祖谷に観光に来られる際は、是非この渓谷美をご堪能ください。

以上、先週、祖谷の景観を形作る人々の話をしたので、今週は自然の話を書いてみました。

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