”山で美味いはサガリ豆イチゴ、持って食わそか間男に”。93歳の母から聞いた歌です。
子供の頃、そのように歌う母親からサガリ豆イチゴを貰ったと言っています。「間男に食わせたいほど美味しい」のだそうです。
間男に? 「孫と子に」の間違いでしょう。 子供におやつを渡すのに”間男”を持ちだす親がどこにいるでしょう?
しかし母は93歳。言い出したら聞きません。理屈も通じません。
「まぁ、いいかぁ」と思いつつ、「これはよいブログネタ!」と思い、早速使っている次第です。
サガリ豆イチゴに話を戻します。サガリ豆イチゴとは”モミジイチゴ”のことでキイチゴの一種です。
英語では Yellow Rasberry と言うらしいので”黄イチゴ”と呼ぶのが白毛馬的には一番しっくり来るのですが、勝手に造語を作るのはよくないので、ここでは単にキイチゴと呼ぶことにします(モミジイチゴと言う呼び方はしたことがないのでしっくり来ない)。
それでそのキイチゴですが、実際のところ大変美味です。私も山に自生する実の中で一番おいしいと思っています。アケビよりも、草イチゴよりも、山のサクランボよりも美味しかったです。

特に触っただけでポロっと落ちるほど熟したものは最高です。甘くて、みずみずしくて、若干の酸味も何とも言えません。
見た目も魅力的です。たわたに実った大量のキイチゴ。太陽の光を浴びて黄金色に輝きます。宝石のようです。
さて、そのキイチゴ。自分の子供にもその感動を伝えたく、キイチゴ狩りに連れて行ったことがあります。
厳密に言うと、単に子供と山道を歩いていただけなのですが(山で生まれた私は子供をよく山に連れて行っていた)、突然懐かしい雰囲気の藪に出遭います。
「これはもしや」、「時期的にも今くらいだなぁ」と思った私は子供を山道に残してその藪の中に入りました。
20mほど進んだでしょうか? 突然目の前に現れたキイチゴの群生地。 程よく熟した大量のキイチゴが太陽の日差しを浴びてキラキラと輝いています。 「やっと見つけてくれたね」。 そう言っているようでした。
「凄いでしょ」、「ここ、一発で見つけたんだよ」。 私はそう心で回答しながら、「ちょっと待っててね。子供連れてくるから」と言って引き返します。
そして喜々として山道に戻ります。 「お父さん、凄い!」。 心の中ではそんな子供の声が木霊しています。
子供と合流した私は再び藪の中へ。子供はまだ5歳。でも躊躇なくついて来ます。日ごろ、こういう所を連れ廻していた成果でしょうか。
そして再びキイチゴの宝庫に辿りついた私たち。二人で黄金のキイチゴを堪能しました。
このキイチゴ。持ち帰りできません。あっという間に鮮度が落ちるんです。冒険した人だけに与えられるご褒美なのです。
子供の頃はこういう経験をたくさんしました。今の子供にも経験させられたらなぁと思います。体験型学習です。
”大阪の中学生、集会所の水を復旧させる”でも書いたように今はビジネスでもやっている人たちがいます。祖谷では個人事業としても成り立つと思うのですが、誰かやりませんかねぇ。
それはそれとして、今年ももうすぐキイチゴの季節。この夏は本格的に探してみて、写真を一杯撮りたいと思っています。
その際は”旬の情報/季節の情報”に掲載しますのでお楽しみに。本ブログ冒頭の写真もしょぼいので差し替えたい。
(補足)
サガリ豆イチゴをどう表記するかは悩んだ末にこうしました。下がり豆苺、サガリマメイチゴ、サガリマメ・イチゴ、サガリマメ苺。。。色々試しましたがどれもしっくり来ず、”サガリ豆イチゴ”で妥協しました。方言にて正しい表記方法は分かりません。
コメント