祖谷は徳島県に位置しますが高知県の方がなじみが深かったりします。
実際、祖谷への入り口”JR大歩危駅”へは四国4空港の中で高知が一番近いです(具体的にはこちら)。
と言うことで、少しまとめ買いをしたい時や友人と飲みに行く時など、多くの祖谷の人は高知市へ出かけます。
かく言う私もその一人なのですが、ある日の高知からの帰り、車を運転していて異変に気づきます。
高知からは吉野川沿いを帰るのですが、その川が北に向かって流れているのです。吉野川は西から東に流れているはずなのに。。。
例えばこのマップ。拡大して見て頂けるとわかります。⑭や⑮の辺りの吉野川は南北に流れています。
そうなのか。私がよく通る場所の吉野川は南北に流れているのか。。。 新たな発見でした。
そう思いながらまじまじと吉野川を眺めながら運転する私は更に異変に気付きます。
私は高知、すなわち平野から山に向かって帰っているのですが、川がその方向、すなわち山に向かって流れているのです。
もの凄い違和感!!! 川が上に流れることなどあるのでしょうか?
「そんなバカな?」と思われる方は是非観察してみてください。 だまし絵を見ているかのうようです。
※観察結果に対するコメントもお待ちしています。

そんなある日、ひょんなことからとこじおと言う場所を訪れることになりました。三好ジオパークの情報拠点になっているところです。
その場所で専門員のTさんからたくさんお話を伺いました。そしてその時、
・300万年前の吉野川は南から北、即ち徳島市側でなく香川県側に流れ込んでいたこと
・それが讃岐山脈の隆起で流路が遮られ、東に向きを変えたこと
・それにより香川県は水不足で苦労する県になったこと
・そして干ばつに強い小麦の栽培が盛んになり、うどん県になったこと
・逆に徳島県は暴れ川で有名な吉野川の氾濫に悩まされたこと
・しかしその際バラまかれた山の養分が藍栽培に適し、阿波藍で栄えたこと
※市町村制が誕生した明治22年(1889年)、徳島市の人口は今では考えられない全国10位! 徳島はそれほど藍で繁栄していた
などを知りました。
ギョエー!という感じでした。私はもはやもう一人のK君状態。次から次へと質問を浴びせ、納得いくまでお話を伺いました。
「そんなに興味があるならプチガイド養成講座を受けてみませんか?」 Tさんの最後の言葉です。
「えぇ~?こんな私が?」と思いましたが、「受講したからと言ってガイドになる必要はないですよ。勉強になりますよ」という一言に背中を押され、受講してみることにしました。
するとどうでしょう。 これがまた面白い! 如何に自分が地元に無知だったか! そのことを思い知らされました。 そこからは益々深みにハマるばかり。
結局ガイドをやることになったのですが、ガイド仲間の知識量が半端ないんです! しかも得意分野が色々。 ジオ、文化、歴史、岩石、植物、暮らし・・・。
加えて、ガイド仲間やイベントを通して更なる識者と出会えます。 まさに無尽蔵! それ以来、私は無限の情報空間に身を置く至福の時を過ごし続けています。
本ブログを通して、少しずつですが、そのお裾分けをしているつもりですが、もしもっと早く知りたいと言う方がいらっしゃればこちらをご活用ください。三好市内での講演や研修はほぼ漏れなく掲載しております。
また上記吉野川の流路の変更など三好ジオに関する情報はこちらに詳しく書かれています。ご活用頂ければと思います。
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