キイロスズメバチ顛末記(その1)

キイロスズメバチの巣 祖谷の生活

とうとうその日が来ました。キイロスズメバチの巣の駆除です。

以前、キイロスズメバチの話を書いたの覚えていますか? 立派なハチの巣にするために、冬まで放置したキイロスズメバチ。一体どんなことになっているでしょう? いざ、屋根裏に突入です!

が、その前にちょっと確認。 冬になれば危険はない! そう思っていましたが、本当か? 念のためもう一度ネットでチェック! その結果、概ね大丈夫そうなことが確認できました。 しかし万が一という事もあるようです。

そこで可能な限り肌を隠して臨むことにしました。 屋根裏に入るのでマスクはしていますし、私は眼鏡もしています。 軍手もしているので、後は頭巾をかぶればOKか? しかし頭巾は持っていないので、タオルを二重にしてほおかぶりします。

これでOKと思いきや、首元がスースーします。 ここが露出しているな、と思い、ネックウォーマーも装着します。(実はこれが後になってあだになる。。。)

そして万が一ハチが居た時の備えとしてアース製薬のハチアブ マグナムジェットも持ち込みます。これでハチがイチコロなのはよく知っています。

後は懐中電灯。私は某所から支給されたよい代物を持っています。頭に付けられます。LED製で大変明るくもあります。

完璧! いざ出陣。 

? 待てよ。 いま自分はどんな格好をしているのだろう?

今度はそんなことが気になりだし始めます。ちょっと鏡の前に立ってみます。

う~ん、どう見ても不審者。 常々妄想癖のある私はあらぬ方向に妄想が膨らんでいきます。

いま誰か来たらどうしよう? このまま出たら悲鳴を上げて逃げられるかも? そしたら追いかけないとなぁ。 駐在さんでも連れて来られたらエライことだ。 でもこんな格好で外に出たら騒ぎがもっと大きくなるなぁ。 う~ん。

外に出ても人などいない過疎地なのに、なぜか原宿のような雑踏をイメージしています。

スズメバチ駆除の恰好

いかん、いかん! 集中、集中。

次の問題はどうやって蜂の巣を獲るかです。 一応ノコギリは用意するとして、万が一、ノコギリの刃の長さに比べてハチの巣が途轍とてつもなく大きかった場合の準備も必要です。

そうだ、針金にしよう。 糸で卵を切る要領で、針金で締め付ければ少々大きくても何とかなるはず。 そう思いました。 折角育てた大切なハチの巣。 綺麗に取らないと意味がありません。

今度こそ完璧。客が来ないうちに突入しようと、ブレーカーを落とします。 そして、いざ押し入れへ! そこには屋根裏への入り口があります。 

私は予め空っぽにしておいた押し入れに入り、脚立を立てます。そしてそこに乗って屋根裏に続く天板を外します。1か所だけ釘が打たれておらず、簡単に外れます。

そして顔を入れます。 よしよし、ハチの気配なし。 

入りぐちは長方形。私は体を斜めにして対角線上に両肩を入れて通過します。そして恐る恐る天井裏に上がります。

ありました。ハチの巣です(冒頭の写真)。きれいな形をしています。結構取りやすそうです。しかし奥。

私は奥に向かいます。屋根裏には電線がたくさん。ブレーカーを落としているとは言え、触るのは怖いです。触らないようにゆっくりと慎重に進みます。

天井を踏み抜く恐れもあります。梁と柱を利用して体を支えながら、足を置いても大丈夫そうな場所に足を運びます。

そしてやっと巣に到着。 あれ? 2つある(下の動画参照)。
※動画はミュートでの視聴を推奨します。さもなくば耳障りな息遣いが聞こえます。

小さい方は問題ありません。ノコギリでいけそうです。大きい方もいけるかな? そう思った私はさっそく大きい巣の上部にノコギリを入れます。

え? え? 固い。。。 ろうが大量に固まった感じです。 しかも分厚い。

そりゃそうか。 結構重そうなハチの巣。 これを吊るすには強度が必要です。 

ついさっきまで針金で締め切ろうと思っていました。 とてもそんなやわな感じではありません。 今更ながら自分の浅はかさが恥ずかしくなります。 穴があったら入りたい。 あっ、今穴に入っているか。 ・・・。 うっ、また下らないことを考えようとしている、と我に戻ります。

しかし。それにしても。辛い。

そもそも体勢が苦しい。股を大きく広げて安全な位置につま先立ちし、屋根に当たらないように頭は低くし腰も曲げています。

その状態で梁の向こうの固まった蝋にあっちこっちからノコギリの刃を入れます。まるでヨガポーズで丸太切りをしているみたいです。

しかも私は高齢者。筋肉が固まっていて柔軟には動けません。不自然な姿勢を長く続けていると必ずどこかがります。

既に肩も足も限界。しかし攣らせてしまうと一貫の終わりです。こんな狭いところでは筋も伸ばせません。

焦る私は少し作戦を変えます。だいぶんノコギリも入ったし、両手で巣を挟んでグリグリしながら下へ引っ張ってみたらどうだろう? これで穫れたらラッキー! そう思った私は早速トライします。 

バリッ! 嫌な音がします。 えっ? えっ? えっ? 手を当てたところがへこみます。

側面の何と柔らかいことか。 てっぺんはあんなに固いのに。。。 カスカスです。 

う~ん、こまった。。。 来客の心配に続いて、本日二度目の長考に入ります。 (次号へ続く)

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