深山祖谷山を歌う人たち(続編):祖谷の民謡

祖谷の湧き水 祖谷の風土・風習・文化

エイエー エイエイエイヤ エイコノいかに
殿のご門にエイヤ 池つきとめて
水が湧くかと 眺めていたりゃ
水は湧かずに 酒が湧く ショウガエー

これは祖谷に伝わるエイコノ節という民謡の歌詞です。

歌詞も節も全て口頭伝承ですので、人によって少しずつ異なります。上記は中坂福重さんという方が覚えておられた歌詞です。

祖谷には民謡が豊富にあったみたいで、東祖谷村誌には17曲もの民謡が紹介されています。

これら民謡は、祭り唄仕事唄祝い唄甚句子守歌わらべ歌など大変多岐に渡り、色んな場面で歌って楽しまれていたことがよくわかります。

上記エイコノ節は祝い唄です。家を新築したとか、結婚したとか、何かそのようなめでたい時に唄われたのでしょうか? どういう発想なのでしょうかねぇ? 馬鹿バカしいほどめでたい歌詞です。

ちなみに2番は榎を植えたら金の実がなったという話です。3番に至っては、旦那大黒、奥様恵比寿、一人ある子が福の神、となります。

極上のめでたさです。これを唄われて悪い気がする人はいないでしょう。

昔はこのように色々な場面で歌が歌われてたのでしょうか。 大変豊かな暮らしのように感じます。

是非後世に残したく思いますが、残念ながら実際に唄は聴いたことがありません。

エイコノ節どころか、17曲中16曲を知りません。唯一知っているのは祖谷の粉ひき節だけです。

祖谷の民謡

残り16曲、どうしたら聴けるか?手がかりすらありませんでした。それが突然大きな進展がありました。

深山祖谷山の話を書きましたが、「未来へつなぐ合唱の会」の合唱曲に17曲中7曲の祖谷の民謡が出て来ます。しかも譜面もあります。

更にこの方たちが祖谷に来られたことで、エイコノ節を唄える人が見つかりました。更に昔収録した民謡の音源が残っている可能性も出てきました。

これらを手掛かりに今から少しずつ祖谷の民謡を掘り起こしていきたいと思います。

祖谷の粉ひき節が分類される仕事唄には、他に田植え唄、草刈唄、荷かたき唄、馬子節、木ひき節、石刀節があります。

草刈唄、荷かたき唄、木ひき節などは我々現代人が外で作業する時にも使えそうです。そういう形で少しずつ復活させていけたらいいなぁと思っています。

ちなみに、このきっかけを作ってくださった「未来へつなぐ合唱の会」の設立趣旨は以下の通りです。祖谷の民謡、まさに光をあて、実際に歌い、生の演奏を聴かせて頂けます。大感謝です!

<未来へつなぐ合唱の会の趣旨>
日本の合唱作品として世界に誇りうる名作であるにもかかわらず、演奏の機会が少ないため、このままでは歴史に埋もれてしまう心配がある作品に光をあて、実際に歌い、生の演奏を聴いてもらうことにより、未来へつなげていこうという取り組みを開始しました。
※会の趣旨ロングバージョンはこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました