高校1年生の時だと思います。夏休みで家に帰っていた私[*1]に母親が言いました。
*1 祖谷には高校がなかったので、私は下宿して町の高校に通っていた
「なんか釣井(という集落)で奇妙な外国人が来て古民家を改修しているらしい。その外人さんの手伝いしながら英語の勉強して来たら?」
私は心が揺れました。行ってみたい気持ちは結構あったのですが、踏ん切りがつきませんでした。知らない人を訪れるのはハードルが高いです。しかもそれが外国人となると尚更です。行ったはいいものの何も話せず逃げ帰る自分の姿が容易に想像されました。結局行くのは断念しました。
その時の奇妙な外国人と言うのがアレックス・カーと言う人で、その後、東祖谷に多大な貢献をした人です。多分、あの時、勇気を出して突撃していたら私の人生は違ったものになっていたかも?と思います。結局まだ一度もお会いした事はないですが。。。
本Webサイトでも祖谷に外国人がよく来られることを何度か書いていますが、こうなったきっかけを作ってくれたのが彼です。古民家をリノベーションする際に多くの地元民や外国の若者に手伝ってもらい、その多くの若者がアレックスとともに祖谷を世界に向けて発信してくれました。
そして祖谷に外国人が訪れるのは日常の風景となり、その方たちを特別な目で見る人も殆どいなくなりました。外国語がしゃべれなくても、身振り手振りや雰囲気で十分意思疎通が図れることを体得したのです。
例えば、つづき商店。外国人がたくさんそば打ち体験に訪れます。「こう」、「ほんでこう」と日本語でしゃべりながらやって見せ、「ほな、してみてや(では、やってみてください)」と無茶ぶりします。でもちゃんと伝わり、外国人は素直に同じことをやり始めます。
やり方がまずいと「ノーノー」と言ってお客様を押しのけてもう一度見本を見せます。そしてまたやらせてみて同じ失敗をすると「ノーノー」と言って手の甲をピシリッとやります。そのような光景を2回見たあと、3回目に「ノーノー」を聞いたとき外国人は自発的に手を出したりします。みんな大笑いです。麗子さんにかかるとそば打ち体験場がそんなアットホームな場に変わります。
落合集落で外国人団体客の休憩受入れをやっているMさんも同様です。休憩に来られた外国人に、栗餡の手作りお餅とか、自家製の祖谷番茶や手打ちそばなどを自宅の庭で提供します。「マロンは要らんかえ」などと日本語で言い、大量の栗餡入り餅をお盆に乗せて歩きます。食べてもらえるとご満悦。自分の英語が通じたと誤解している感じです。
この方たちは外国人観光客に場慣れした方々ですが、一般の人でも似た感じです。タイヤを溝に落とした外国人がいたらあっと言う間に近所の人が集まって脱出させます。ヒッチハイカーが居たら英語が喋れなくても当たり前のように乗せる人もいます。
こんな感じの場所なので、観光客が多いだけでなく、移住して来られる外国人もいらっしゃいます。
以前、「移住者の戸惑いとジレンマ」で移住生活の大変さの一片を記載しました。これが外国人となると尚更だなぁと思っていましたが、その実態はよくわかっておりません。
それが最近下記のようなイベントの公示がありました。三好市国際交流協会が三好市在住外国人との交流イベントを始めるようです。
一社三好市国際交流協会(@kokusaim) • Instagram写真と動画
いいですね~。祖谷ならびに三好市が益々国際的になっていくことを期待しています。本番は12月21日(土)、申し込み期限は12月16日(月)とか。興味のある方は是非お申し込みください。
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