祖谷のジャガイモ

じゃがいも 祖谷の風土・風習・文化

こどもの頃(5歳前後)、友達の家に遊びに行ったら、煮て皮を剥いたジャガイモがザル一杯に盛ってありました。大家族だった友達の家、夕食に使う予定だったのでしょうか?

その時、庭先に野良犬がやってきました。大変人懐っこそうにこちらを見ています。そしておなかも空いてそうでした。

まだ幼かった私たち。 犬に近づくことができません。 しかし興味はある。 向こうもこちらに興味を示している。

その時、ザル一杯のジャガイモが目に入ってしまいました。

「こいこいこい」と言いながら私がジャガイモを一個投げる。 犬は見事に空中でキャッチ! 私と友達は歓声を上げました!

凄い! 面白い!

もう止まりません。 友達が投げる。 犬が受ける。 私が投げる。 犬が受ける。

全くミスすることなく曲芸のように受ける犬。 食べ物にありつけて嬉しそう。 それを見て興奮する私たち。

気が付くと、ザル一杯のジャガイモは全て犬の胃の中に消えていました。

ふと我に返る私。 さすがにやりすぎたかな?と思ったのでしょう。 何やら気まずい気持ちになったことは覚えています。

そこに現れた友達のお母さん。 ザルの芋が無くなっていることに気づいて友達を問いただします。 泣きながら二人で犬にやったことを白状する友達。 叱られました。 こっぴどく叱られました。 こども心に「よその子でも叱るんだ」(たぶんよその人に初めて怒られた)。 そんなことを考えていた記憶が残っています。

さて、その煮て皮を剥いた祖谷のジャガイモ。 これが大変おいしいんです。 特に、そのまま味噌を付けてかぶりとやると最高! 素材の味がそのまま楽しめます。

コエグロのところで述べましたが、祖谷は傾斜地だらけです。 土も肥沃とは言えません。 そもそも小石だらけです。

そんなところで育った祖谷のジャガイモ。 少し小ぶりです。 都会で売っているジャガイモより一回りも二回りも小さいです。 なので皮むきが面倒です。 普通の人は嫌がります。 もらうと迷惑ですらあるかも知れません。

でも祖谷ではこれが喜ばれます。 小さい方から選ばれることも少なくありません。

なぜか?

小さい方が味が濃いからです。 

そんな味が濃厚な祖谷のジャガイモ。 煮て皮を剥き、味噌をつけてそのままパクリ。

祖谷に観光で来られた際は是非お試しください。
祖谷の飲食で掲載した飲食店のうち、おのみ家、つづき商店、谷口食堂、高山花、丸石パークランドなどなら頼めば食べさせてくれるかも知れません。まず雑談などして距離を縮めてから頼んでみてくださいね。

祖谷のジャガイモは煮物でもよく出てきます。 味が濃いので煮ても芋の味がしっかりと残っています。 それより何より煮崩れの心配がないので料理が楽です。

コメント

  1. futaro より:

    マヨネーズですか。今度やってみます!

  2. Mitsuko より:

    祖谷のジャガイモは小さい時から食べておりました。私は茹でて、トースターでこんがり焼き、味噌とマヨネーズを混ぜて食べるのが好きで、今でも祖谷からジャガイモが届くとこのようにして食べています。身のしまったジャガイモはやはり美味しいな、と祖谷を離れてから思うようになりました‼️

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