このページでは祖谷に来るのが複数回目という方向けに観光サイトをご紹介いたします。
・西から東の順に紹介しています(具体的には下記目次の「マップ」を参照ください)。
・目次をクリックすることで好きなサイトの情報に飛べます。右下に表示される「トップへ戻る」マークと併用してご活用ください。
【注意】ここに記載したもの以外に「木村家」という国の重要文化財に指定されている住宅もありますが、現在改修中でご覧いただけません。ご覧頂けるようになったら掲載いたします。
吾橋・雲海展望台

「朝霧の海なす里に日は映えて[*1]」。これは地元吾橋中学校の校歌の1番に使われていた歌詞とのことです。吾橋というところは校歌の一番で歌われるほど雲海の名所であるということです。
祖谷への移住者の中には「朝霧に心打たれたのがきっかけ」という方がいらっしゃいます。ガイドをやっていると「朝霧を見た」と嬉しそうに教えてくださるお客様もいらっしゃいます。朝霧でも心打たれるなら雲海を見られたらどんなに感動することでしょう?
ということで、リピーターの方へのお奨めの1番手に雲海の名所をお奨めします。「吾橋・雲海展望台」です。そこが霧に包まれている時は更に上へ上へと車を走らせると雲海が見られるとのことでした。
ただし、雲海は出ていないと見ることができません。そして、出ているかどうかは行ってみないとわかりません。折角足を運んでも見れないこともしばしば。
かくいう私も吾橋・雲海展望台で雲海を見たことがありません。日常的に通過する場所であればたぶん何回も見ていると思いますが、この場所は少し奥まったところにあります。
ではここに掲載している雲海の写真は何か? 実はよく通過する他の場所で撮ったものです。そこでも時々雲海が見られます。
場所は県道45号線、すなわち大歩危駅から祖谷に入る道の頂上付近です。右側に注意を払って運転してみてください。祖谷トンネルに入る通過しますが、その600m位手前辺りで眼下に雲海が広がっていることがあります。もちろん早朝です。7時前後でしょうか。
他にも落合集落からも雲海が見られるという話も聞いたことがあります。
*1 三好文化財講座 特別編 追加資料(下川清著)より
【基本情報】
・吾橋・雲海展望台の概要について知りたい方にはこちらがお奨めです。
・雲海については祖谷トンネル付近設置のライブカメラ情報が参考になるでしょう。下記サイトから「展望台方面」を選んでみてください。
ライブカメラ - 祖谷トンネル(観光) (city-miyoshi.jp)
武家屋敷

平家屋敷が源平合戦に敗れた平家の落人の館であるのに対し、こちらは豊臣秀吉が天下を取った話と関係する屋敷です。
すなわち、豊臣方であった蜂須賀小六が長宗我部元親を破って四国を平定しましたが、その時、祖谷でも両派の戦いがありました。
その際に蜂須賀派で祖谷の平定に寄与した喜多家の屋敷になります。
喜多家はその後も祖谷を統治し、皆から親しまれていた感じがします。例えばですが、祖谷の粉引き節に「喜多の源内さんがヒエの粉にむせた」という歌詞があり、庶民から親しまれていた統治者だった感じがします。
屋敷は8畳の書院風座敷が2室続いて存在するなど武家の統治者の屋敷という感じが漂っています。
【基本情報】
・武家屋敷喜多家の概要について知りたい方にはこちらまたはこちらがお奨めです。
・喜多家住宅を内観したい人にはこちらがお奨めです(管理人さんの説明が一部入り込んでいます)。
【詳細情報】
・喜多家の歴史について知りたい方はこちら
・喜多家末裔24代目さんとのエピソードについて知りたい方はこちら
鉾杉

武家屋敷の隣には鉾杉があります。樹高35m、幹の周囲超11m、樹齢800年の巨木です。
杉と言えば空に向かって真っすぐに伸びるイメージですが、この杉の木が幹のあちことから大きな枝がニョキニョキ出ています。地面や周囲は苔むしていて大変神秘的な杉です。
この木は鉾杉とか国盛杉とか呼ばれて地元の人たちから愛されています。
平家が落ち伸びてきた時、その棟梁であった平国盛が、神社を作り、鉾を治めた場所と言われています。
鉾杉が武家屋敷の近くにあるのは、武家屋敷がこの場所に移設されたからで直接的な因果関係はありません。が、両者が近くにあることで訪問する側としては便利です。
【基本情報】
・鉾杉の概要について知りたい方にはこちらがお奨めです。
・鉾杉は徳島県指定の天然記念物(植物)に指定されています(1954.1.29指定)
・鉾杉の隣の鉾神社の社叢も徳島県の天然記念物に指定されています
【詳細情報】
・鉾杉がある鉾神社の全体像を知りたい方はこちら
栗枝渡八幡神社

この「栗枝渡八幡神社」は安徳天皇をお祀りした御陵であると言われているところです。平家の落人と共に落ち延びて来られたまだ幼なかった帝(みかど)は、祖谷の伝説の中でも若くしてお亡くなりになったとされています。
不遇の安徳帝は祖谷でも大変大切に思われ、その御霊をお祀りしたこの神社は、800年もの長い間、先人からの言い伝えを絶やすことなく代々守り続けて来られました。
その様子は境内に入ればすぐに分かります。社殿を取り囲むように神々しくも巨木の数々。質素な佇ましながらよく手入れされた社殿。清掃が行き届いた境内。
安徳天皇の伝説は日本の至るところにありますね? そのような質問を受けることがあります。
が、本当に安徳帝が来られたかどうかはそれほど重要なことではないと思っています。安徳帝だと信じ、たくさんの人たちが時をつなぎながら長い年月守り続けてきた、その膨大な時間と労力にロマンを覚えます。
皆さんも是非ここを訪れ、そんなロマンを感じ取ってもらえればと思います。
【基本情報】
・栗枝渡八幡神社の概要について知りたい方にはこちらがお奨めです。
・栗枝渡八幡神社の社叢は徳島県の天然記念物に指定されています。
【詳細情報】
・栗枝渡八幡神社の見どころを知りたい方はこちら
・栗枝渡八幡神社に残る安徳天皇伝説についてはこちら
・同伝説に対する筆者見解はこちら
・栗枝八幡神社の祭りについて知りたい方はこちら
・祖谷における平家落人伝説の全体像について知りたい方はこちら
落合集落

写真は落合集落から撮影したものです。右遠方に見える集落が栗枝渡八幡神社がある栗枝渡集落、左上に少し見えているのが落合集落展望所がある中上集落です。
伝統的建造物保存地区に指定されている落合集落は、対岸の展望所から全貌を眺めて終わる場合が多いですが、是非落合集落の中も散策して欲しいところです。独特な家屋の作りや傾斜地農法などを間近に見て歩くのも楽しいですし、地元の人に出会ったりすると気軽に話しかけてもらえて楽しいです。景色も大変よいです。
宿泊施設のところで紹介している桃源郷 祖谷の山里に宿泊されたら、夜は満天の星、朝は遅い日の出と幻想的な山切りがあなたを迎えてくれます。
ここでは景色を見たり、おいしい空気を吸ったりしてゆっくりと過ごすのがよいと思いますが、深く知りたい方はガイドを頼まれるのがよいと思います。落合集落の中の見所や散策コースなどについては追ってブログで紹介していく予定です。
【基本情報】
・落合集落の概要について知りたい方にはこちらがお奨めです。
・落合集落の楽しみ方について知りたい方にはこちらがお奨めです。
・落合集落は国の伝統的建造物保存地区に指定されています。
・落合集落の中にある三所神社の社叢は徳島県の天然記念物に指定されています。
長岡家住宅

落合集落の中でひときわ大きな茅葺きの家屋。それが長岡家住宅です。かつて落合集落を支配していた役人の家です。ここも重要伝統的建造物の一つですし、無料で見ることができるので是非ご訪問ください。
代官の家だったので、間取が多いとか、書院があるとか、囲炉裏が二つあるとか、一般的にはそのような点をご覧になります。
が、それだけではつまらない。是非ここの芋ツボをみてください。タンスの引き出しを開け閉めしてみてください。大きな車輪がついた木箱を見てください。
芋ツボは、サツマイモを保存するためにどこの家にもあったそうですが、ここの芋ツボほど立派なものは見たことがありません。まるでワインセラーのようです。
タンスの引き出しは、開け閉めするとススの匂いがして、少しだけ囲炉裏生活にタイプスリップできます。
車輪のついた櫃は昔大切なものはここに入れていたそうです。なぜか?車輪がついているので火事の際に運び出しやすかったそうです。
係の人がいれば質問すれば教えてくれると思いますが、いない場合は自分たちで探してみてください。
【基本情報】
・営業時間: 9:00~17:00
・定休日: 水曜日、12月28日~翌年2月末日
・料金: 無料
落合峠

西日本第二の名峰 剣山はミヤマクマザサの群生地で有名ですが、落合峠(標高1,519m)にもミヤマクマザサが群生しています。最初にここを訪問した時、「車で来てミヤマクマザサの群生が見られてラッキー」と思いました。
ここは新緑や紅葉の名所でもあります。落合峠を越えて町の方に出ることもできますが、時間がかかるので地元の人はこのルートは使いません。でも、紅葉のシーズンは別です。
わざわざ時間を掛けて景色を楽しみながらドライブします。秋になると落合峠が紅葉してるかどうか、結構話題になります。花見を計画している人がタイミングよく花が咲くかヤキモキするあの感じです。
落合峠は見晴らしもよいです。峠の切り通しから町の方を見ると讃岐富士が見えます。瀬戸内海や岡山まで見える時があるらしいです。
祖谷に入るには殆どの場合、峠を越えてくる必要があります。祖谷は峠だらけということです。その中で落合峠が色々楽しめる峠と思います。是非、訪問してみてください。
【基本情報】
・落合峠の概要について知りたい方にはこちらがお奨めです。
・落合峠へのアクセスや峠の見どころについて知りたい方にはこちらがお奨めです。
旧小采家住宅

平家屋敷 阿佐家住宅、武家屋敷 喜多家住宅、落合集落 長岡家住宅。本サイトで紹介している屋敷はどれも祖谷では由緒正しい立派なものばかりです。
これに対してこの小采家住宅。二間、すなわち部屋が2つしかない大変侘しい感じの住宅です。が、国の重要文化財なのです。阿佐家は県の文化財、長岡家は伝統的建造物保存地区の中の住宅、喜多家に至っては文化財ではありません。対してこの家は「国」の重要文化財です。
なぜか?
武家屋敷等でしたら、「これは大切」、「これは貴重」という感じで一生懸命保存に力を注ぎますが、普通の農家の住宅はありふれ過ぎていて皆さんあまり保存に力を入れません。そうしているうちに一つ減り、二つ減り。誰も気が付かないうちに全滅してしまうかも知れません。
そうなんです。この小采家はかつてありふれた家で、だからこそ消滅の危機を脱した貴重な住宅なのです。
どういう風に貴重か?それはおいおい説明させてもらうとして、ここではとりあえずこの住宅が大変貴重であるということだけを覚えておいて頂ければと思います。
【基本情報】
・小采家住宅の概要を知りたい方にはこちらがお奨めです。
・小采家住宅は国の重要文化財です
小采家住宅(徳島郡三好町東祖谷山村) 文化遺産オンライン (nii.ac.jp)
・現在外観しかご覧になれません。。。