東祖谷でウルトラマラソンをやりたい。 そういう話が出たことを先週書きました。 今週は提案したコースを写真集で紹介したいと思います。 提案はほぼそのまま受け入れられました(微修正が入っています。以下に紹介するのは微修正後のものです)。
コース
東祖谷ウルトラのコースは下記マップの通りです。阿佐家と落合峠を除き、祖谷川沿いを往復するルートとなっています。
コースは、最初に大日さん(小島大日堂)に挨拶してもらい、祖谷の観光サイトを巡ったあと、最後に八幡さん(栗枝渡八幡神社)に挨拶してもらうと言うルートです。
私が子供の頃、祖谷には大きな祭りが2つありました。それが大日さんと八幡さんです。大日さんは、弘法大師ゆかりの寺、八幡さんは安徳天皇ゆかりの神社。
四国と言えば弘法大師、祖谷と言えば平家落人伝説、ということで、この2か所を入口と出口に設定しました。
※大日さんはどうも弘法大師ゆかりではない旨、その後わかりつつあります。。。
ウルトラマラソンなので距離は100kmを目指しました。祖谷はアップダウンが激しいので2日間に分けて走ることになりました。
本番1日目
0.旅の宿 奥祖谷
ここがスタートです。選手の皆さんはここに前泊されました。

1.小島大日堂
大日祭りのことは冒頭記載の通りです。私が子供の頃は、参道沿いに出店がたくさん並んだ賑やかな祭りでした。小島集落の自治会長がランナーを出迎え、大日さんの説明などをしてくれます。
※距離(旅の宿 奥祖谷~小島大日堂):7km
※高低差(同上):63m下った後、110mを一気に上ります

2.木村家住宅
木村家は祖谷で最も古い建物です。326年前の元禄12年(1699年)に建てられました。国の重要文化財です。残念ながら現在改修中で中は見学出来ませんが、この大会は特別。木村家ご当主が改修中の文化財を説明付きで見学させてくださいます。木村家住宅は小島大日堂の対岸にあります。
※距離(小島大日堂~木村家):3.6km
※高低差(同上):112m一気に下り、126m一気に上ります

3.龍宮崖公園
龍宮崖公園は東祖谷一番の渓谷美を誇るところです。高さ70mの吊り橋を渡ってその美とスリルを味わってもらい、龍宮崖コテージに向かいます。コテージでは植物博士の管理人さんが待ち受け、コテージ周辺に自生する植物について説明してくれます。
※距離(木村家~龍宮崖コテージ):2.7km
※高低差(同上):111m一気に下った後、ダラダラ坂を43m上ります

4.平家屋敷 阿佐家住宅
次は平家の末裔が住むと言われる阿佐家住宅です。祖谷川を一旦離れ、その支流の更に支流の谷川沿いを上っていきます。ここでは23代目ご当主がランナーを待ち受け、住宅や庭の説明をしてくれます。
※距離(龍宮崖コテージ~阿佐家住宅): 5.4km
※高低差(同上):細かい上り下り各々40~50mを繰り返したあと、181mを一気に上ります

5.都築商店
ここで昼食です。東祖谷のそば打ち名人であり山菜博士の麗子さんが、打ちたてのそばと採りたての山菜料理を振舞ってくれます。
※距離(阿佐家住宅~都築商店):3.6km
※高低差(同上):181mを一気に下った後、ほぼ平坦な道を進みます
6.武家屋敷 喜多家住宅、鉾杉
ここから再び大枝という集落に上ります。祖谷では2回歴史が大きく動きますが、この地はその両方に関わる祖谷の聖地。すなわち840年前に平家が落ちてきた時に植えられた杉が鉾杉、440年前に豊臣・徳川勢力が祖谷を支配した時の代官の家が喜多家住宅。喜多家には常駐の管理人がいて、ランナーの対応をしてくれます。
※距離(都築商店~喜多家住宅):4.8km
※高低差(同上):450mほぼ平坦な道を進んだ後、残り4km強、高低差350mをひたすら上ります

7.落合集落展望所
国の重要伝統的建造物群に指定されている落合集落。次の立ち寄り先はその集落が一望できる展望所です。当然、展望できる高い位置まで駆け上がる必要があります。そこでは私が待ち受けて景観の説明をします。
※距離(武家屋敷~落合集落展望所):10.2km
※高低差(同上):350kmを一気に下り、3kmほどダラダラ上ったあと、ラスト2.8kmで160mを一気に駆け上がります

8.虹の谷
陽が当たっていれば必ず虹が出る滝のような谷です。そろそろ肉体的にも精神的にも辛くなって来た頃。美しい虹と谷川の涼風がランナーを励ましてくれることでしょう。
※距離(落合集落展望所~虹の谷):6km
※高低差(同上):160mを一気に降りた後、ダラダラと100mほど上ります

9.天空の村 かかしの里
ここまで来ればあと少し。たくさんのかかしも応援してくれます。かかしの里の主綾野さんがこの日のためのスペシャル演出でランナー達を励ましてくれます。
※距離(虹の谷~かかしの里):6.5km
※高低差(同上):ダラダラとした上り道244mを走ります

10.丸石パークランド
奥祖谷二重かずら橋の入口に位置する丸石パークランド。ここが1日目のゴールです。早く着いたランナーは奥祖谷二重かずら橋を楽しめます。
※距離(かかしの里~丸石パークランド):3.4km
※高低差(同上):引き続きダラダラとした上り道を126m上ります
※1日目の累計距離:52km
※1日目の累計高低差:上り1521m、下り977m

本番2日目
11.落合峠
2日目は祖谷街道を落合集落まで一気に下ります。そしてラスボス”落合峠”(標高1519m)を攻略します。途中、かかしの里や虹の谷の前も通ります。
※距離(丸石パークランド~落合峠):26.2km
※高低差(同上):14km地点まで400m下り、残り12kmで963mを一気に上ります

12.なこち
落合峠を攻略したら、落合集落の中腹に位置する古民家“なこち”で景色を見ながら昼食です。食材は麓のそば道場から調達し、私の仲間が調理・提供してくれます。
※距離(落合峠~なこち):10.3km
※高低差(同上):812mの下りです
13.栗枝渡八幡神社
栗枝渡八幡神社は安徳天皇ゆかりの場所。平家落人の里”東祖谷”。最後に安徳帝にご挨拶してもらって長いマラソンも終焉に向かいます。ここでは、八幡神社をずっと守り通してこられた集落の皆さんがランナー達を待っていてくれます。
※距離(なこち~栗枝渡八幡神社):4.8km
※高低差(同上):145m一気に下り、ダラダラとした下り坂を走った後、150mを一気に上ります

14.東祖谷歴史民俗資料館
スタートした谷口食堂から歩いて数分のところに存在するこの場所がゴールです。これにて東祖谷の名所をほぼ一周したことになります。
※距離(栗枝渡八幡神社~歴史民俗資料館):4km
※高低差(同上):150mを一気に下った後はダラダラとした下りを走ってゴールです
※2日目の累計距離:45.3km
※2日目の累計高低差:上り1131m、下り1629m
※2日間の累計距離:97.3km
※2日間の累計高低差:上り2652m、下り2606m
以上、走るには覚悟がいる距離ですが、サイクリングにはお奨めの東祖谷周遊コースです。是非挑戦してみてください。
ちなみにですがこのコースの累計高低差はちょうど富士山を3合目から頂上まで登って降りたのと同じくらいです。
最後に、この大会の規格の様子は地元の文豪であり、大会をお手伝いしてくれるMさんによっても紹介されています。
菜菜子の気ままにエッセイ(鴨鍋にユルユルシローと坂東良晃(ばんどう よしあき) – 秘境という名の山村から(東祖谷)
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